小さな恋のものがたり：酔いどれオカジュンの徒然：SSブログ

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小さな恋のものがたり　[徒然] [編集]

ほぼ１年のご無沙汰です。新型コロナの影響で生活が一変した方も多いと思います。私もずっと在宅勤務で、もうこのままずっと在宅勤務になるのではないかと思う程引き篭もっております。時間があるとつい振り返ってしまう過去の事。これまで好き勝手に生きてきた。だから後悔など無い。と言ったら嘘になる。私の唯一の後悔のくだらない話です。

晩熟の私が初めて大恋愛をしたのは２０才の時でした。高校卒業後大手家電卸の会社に入社。そして入社半年後に共聴アンテナ工事中現場で足を大怪我し、たった１年半で会社を辞め、これからの事に不安を抱えながらリハビリの生活。やっと歩けるようになるまで約１年掛かりました。その１年間でコンピューターの勉強をし情報処理２種の資格も取り、さあ就職しようという時に私の怠け心が「まだ２０才なんだから他の人が大学卒業する歳まで２年ある。しばらくゆっくりして慎重に再就職先を決めよう」と思いました。しかし働かなければおマンマは食べられない。そこで高校の時やっていた喫茶店のアルバイトが浮かび、しかも寮がある京都の大手喫茶店チェーン店に就職しました。２４時間営業の店だったので、毎日１２時間勤務交替制の今でいうブラック企業でしたが、そこにアルバイトとして入って来たのがその彼女でした。

短大に入ったばかりの彼女はまだ１９才。一つ下の彼女は私には非常に眩しく可愛く美しく、高嶺の花でした。一緒のシフトに入る時はワクワクしながら仕事をしました。そんな日が３ヶ月ほど続いたあと、たまたま彼女と同じ時間に帰るチャンスがあり、私は勇気を振絞り食事に誘ったのです。「いいですよ。どこへ連れて行ってくれるんですか？」と彼女が微笑んで答えた顔は今でも鮮明に覚えています。しかし恥ずかしながら京都に疎い私は、彼女の行きたいところでいいと答えたところ、気を遣ったのか安い伊料理チェーン店のイタリアントマトに行く事になりました。何を食べたか、何を話したのかも覚えていませんが、帰りにまた一緒に食事に行こうと誘ったことは覚えています。それから何度か食事に行き、史上最大の決意で付き合って欲しいと告白しました。

すると思いがけないOKの返事。それから彼女が短大を卒業するまでの約１年半、人生のピークと思えるような時間を過ごしました。京都、大阪でデートを重ねる日々。しかし将来の事を考えると、今のままではいけないので、私は大阪のソフト開発会社へ転職。彼女は大手損保会社に就職し滋賀の大津支店へ配属となりました。（京都と滋賀の大津は以外と近くJRで２駅です）当然会う機会も少なくなりましたが、私は将来結婚するのは彼女しかいないと思っていました。

しかしお互いの仕事が忙しく、会えるのは土日のみ。それでも幸せな日々は続きました。私も仕事が充実し、彼女も仕事が楽しかったようです。郷ひろみの歌にもあるように「会えない時間が愛育てるのさ」如く、会えない時は毎日電話をし、土日は必ず一緒に出かけました。たまに平日仕事が終ってからも彼女は大阪まで出向いてくれて一緒に夕食を食べたりのデート。付き合って３，４年も経つと当然結婚の話題になってきます。

しかしやっぱり結婚というのはタイミングが大事。”縁”というものでしょうか。彼女が結婚したいと思う時に私の仕事の山場だったり、私が結婚しようと言った時彼女の転勤があったりし、結局私の忙しいと言う言い訳で小さなケンカから結局７年余りのお付き合いで別れてしまいました。

その後これ以上の恋愛をした事がありません。（と言ったら元嫁や後付き合った彼女達に申し訳ないが）今もって彼女と結婚していたら？と思うのは男の女々しさでしょう。なぜ突然こんなしょーむない話をしたかと申しますと、部屋を片付け掃除をしていたら彼女からの手紙が出てきました。大事に保管している未練がましい男のつぶやきでした。（最後にもらった「結婚しました」の報告写真入りのハガキが来た時は泣いてしまいました）